こんにちは。
大阪府堺市の行政書士の中村です。
ご訪問いただきまして、ありがとうございます。
本日は、アメリカの市民権を取得された元日本人の方から、日本で親の介護をしたいため在留資格を取得したいとのご相談をお受けしました。
日本では二重国籍を認めていませんので、自分の意思で外国籍を取得すると、自動的に日本人ではなくなります。
(国籍法第11条第1項)
また、外国に帰化したことによって自動的に日本国籍を喪失し、同時に日本のパスポートも失効します。
(旅券法第18条第1項第1号)
外国に帰化した方が日本に入国するために日本のパスポートを使用すると不法入国となってしまいます。
ですから、他の外国人と同じように、日本に入国するためには、日本での活動又は身分に応じた「在留資格」を取得しなければなりません。
短期間の滞在であれば、「短期滞在」の在留資格となります。
今回のケースの場合では、日本人の実子ということで「日本人の配偶者等」の在留資格を取得することになることをご説明させて頂きました。
ただ、一つだけ問題が…
本来は、外国に帰化した後に、外国の日本領事館又は日本の市役所等に「国籍喪失届」を提出する必要があるのですが、まだ提出されていらっしゃらないようです。
アメリカの市民権を得た時点で自動的に日本国籍を喪失しているものの、アメリカから日本にその通知が発せられるわけではありませんので、日本の側からは国籍が喪失されたことが分かりません。
そこで、「国籍喪失届」を提出することにより、日本政府に国籍を喪失したことを知らせることを法律で義務付けているわけです。
(戸籍法第103条)
ただ、この「国籍喪失届」を提出していなくても、罰則が5万円以下の過料だけみたいですし、「国籍喪失届」の存在を知らない方も多いため、実際には提出されていない方は結構いらっしゃるみたいです。
しかし、「国籍喪失届」を提出していなければ、外国へ帰化して除籍となったことが戸籍に記載されませんので、戸籍上は日本人としての記録が残っていることとなり、外国人として日本の在留資格を取得することはできません。
ですから、在留資格認定証明書交付申請の前提として、「国籍喪失届」を提出している必要があります。
「国籍喪失届」を提出していなくても、先に書いたように二重国籍だと思って、日本のパスポートを使用することはできませんので、ご注意くださいね。
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