こんにちは。
大阪府堺市の行政書士の中村です。
ご訪問いただきまして、ありがとうございます。
令和6年2月6日に、障害福祉サービス等報酬改定チームが令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の概要が取りまとめられ、厚生労働省のWEBサイトに掲載されました。
現在、報酬改定に伴う関係告示改正のためのパブリックコメントが、3月6日までの間で募集されているところです。
実際に告示が公布されるのは3月下旬頃になるものと思いますが、幣事務所で関与している割合の多い「就労継続支援B型」、「共同生活援助(グループホーム)」、の各事業について大きく関係のありそうな項目に絞ってまとめてみますので、参考にしていただければと思います。
記事の最後に、厚生労働省WEBサイトに掲載されています報酬改定の概要資料を掲載しておりますので、詳しくはそちらをご参照ください。
なお、一部を除いて、令和6年4月1日からの施行となります。
目次
横断的な改定事項
福祉・介護職員等処遇改善加算の一本化
これまで、処遇改善加算、特定処遇加算、ベースアップ等支援加算と別れていたものが一本化されます(令和6年6月1日施行)。(出展:障害福祉サービス等報酬改定検討チーム資料(2024.2.6)
本人の移行を踏まえたサービスの提供(同性介助)
本人の意思に反して異性介助がなされないよう、本人の意向を踏まえたサービス提供がなされるようにすることを努力義務として指定基準の解釈通知に明記。虐待防止未実施減算の実施
虐待防止措置を未実施の障害福祉サービス事業者等に、所定単位数の1%が減産されます。身体拘束未実施減算の減産額の改定
これまでの身体拘束未実施減算の減産額が、これまでの5単位から引き上げられます。施設・居住系サービス(共同生活援助など)・・・所定単位数の10%
訪問・通所系サービス(就労継続支援B型など)・・・所定単位数の1%
業務継続計画未策定減算の実施
業務継続計画(BCP)の策定がされていない場合、基本報酬から減算(業務継続計画未策定減算)されます。施設・居住系サービス(共同生活援助など)・・・所定単位数の3%
訪問・通所系サービス(就労継続支援B型など)・・・所定単位数の1%
なお、令和7年3月31日までの間は、「感染症の予防及びまん延防止のための指針の整備」及び「非常災害に関する具体的計画」の策定を行っている場合には、減算を適用しない経過措置があります。
情報公表未報告減算の創設
平成30年4月より事業者が障害福祉サービス等の内容を都道府県知事等に報告することが義務付けられておりますが、未報告となっている事業所に対して、これまでは減算等の措置はされてきてはいませんでした。しかし、今後は減算されることになります。
施設・居住系サービス(共同生活援助など)・・・所定単位数の10%
訪問・通所系サービス(就労継続支援B型など)・・・所定単位数の5%
なお、指定更新の際に、都道府県知事等が報告の有無を確認することになっています。
食事提供体制加算の経過措置の取扱い
食事提供体制加算は令和6年3月31日までの経過措置とされていましたが、令和9年3月31日までに延長されました。ただし、下記のとおり算定要件が見直されることとなりました。
①栄養士等が献立作成に関わること
②利用者ごとの摂取量を記録していること
③利用者ごとの体重やBMIを概ね6月に1回記録していること
施設入所者の送迎加算の取扱い
事業所と隣接していない障害者支援施設に入所している利用者と当該事業所との送迎を行った場合には、送迎加算の対象となります。就労継続支援B型事業所
平均工賃の水準に応じた報酬体系の見直し
平均工賃月額が高い区分の基本報酬単価を引き上げ、低い区分の基本報酬単価を引き下げる見直しがされています。また、新たに6:1の報酬体系が創設されます。
(出展:障害福祉サービス等報酬改定検討チーム資料(2024.2.6)
短時間利用減算の創設
「利用者に就労や生産活動等への参加等」をもって一律に評価する報酬体系を見直し、算定利用時間が4時間未満の利用者が全体の5割以上である場合には、基本報酬が減算されます。目標工賃達成指導員配置加算の見直し
6:1の報酬体系が創設されたことにより、目標工賃達成指導員配置加算の要件が見直されました(目標工賃達成指導員を含めて5:1以上の人員配置が必要)。目標工賃達成加算の創設
目標工賃達成指導員配置加算を算定している事業所が、工賃向上計画に基づき、工賃を実際に向上させた場合に加算で評価されます。平均工賃月額の算定方法の変更
前年度の平均工賃月額の算定方法が以下のとおり変更となります。①前年度における工賃支払総額を算出
②前年度における開所日1日あたりの平均利用者数を算出
前年度の延べ利用者数÷前年度の年間開所日数
③①÷②÷12月により、1人当たり平均工賃月額を算出
共同生活援助事業所(グループホーム)
基本報酬区分の見直し
現行の基本報酬区分を世話人の配置6:1以上及び体験利用のみとし、人員配置体制加算を新設。人員配置体制加算は、共同生活援助事業所に置くべき世話人及び生活支援員に加え、特定従業者数換算方法(週40時間で換算)で算定した世話人等の員数が12:1以上(加算(Ⅰ))又は30:1以上(加算(Ⅱ))である場合に算定が可能となります。
一人暮らし等に向けた支援の充実
一人暮らし等を希望する利用者を支援するため、入居中における一人暮らし等に向けた支援や居住支援法人との連携等を評価し、現行の自立生活支援加算を拡充する。(出展:障害福祉サービス等報酬改定検討チーム資料(2024.2.6)
グループホーム退去後における支援の評価
グループホームを退去した利用者(自立生活支援加算(Ⅰ)又は(Ⅲ)を算定していた方に限る。)に対し、退去後3ヶ月間、所定の要件を満たす支援をした場合に退去後共同生活援助サービス費【新設】を算定することができる。地域との連携等
各事業所に地域連携推進会議を設置して、地域の関係者を含む外部の目(又は第三者による評価)を定期的に入れる取組みが義務付けられました(令和6年度は経過措置として努力義務)。令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の概要(厚生労働省 資料)
令和6年2月6日に開催された「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」にて取りまとめられた資料を添付いたしますので、詳しくはこちらの内容をご確認ください。>> 令和6年度障害福祉サービス等報酬改定における主な改定内容
>> 令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の概要
>> 障害福祉サービス等の報酬算定構造
大阪市・堺市・南大阪で障がい福祉サービスの開業をご検討の方へ
障がい者福祉サービス施設の開業にあたっては、事業計画の策定、物件の選定、人員の確保、運営に必要なものの手配等、多くの作業が発生します。指定申請に必要な書類も多く、なかなか手続き前に進まない事業所様も多くいらっしゃるようです。
また、運営にあたっては、障害者総合支援法や厚生労働省からの解釈通知の趣旨や内容を正確に理解しておく必要があります。
幣事務所では、グループホーム・就労継続支援事業所・放課後等デイサービス等の開業希望の事業所様のための開業・運営のサポートを行っております。
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