こんにちは、
大阪府堺市の行政書士の中村です。
ご訪問いただきまして、ありがとうございます。
本日は、岸和田市内の建設業者様のところに新規建設業許可の打ち合わせに行ってきました。
今回、この事業者さんは、息子さんへのバトンタッチを考えて個人事業から新規に法人を設立して、建設業の許可を受けられます。
そこで、今回は、個人事業主から法人化する際の注意点について書いていきたいと思います。
法人化のメリット・デメリットはさまざまありますが、あくまでも、建設業許可に関することだけ言及しています。
取締役会や監査役のいない小規模な会社であれば、会社設立自体は、それほど難しいことではありません。
しかし、法人での建設業許可と許可の維持のことを考えると、気を付けなければいけない点がいくつかあります。
会社の事業目的について
会社設立にあたっては、原子定款に事業目的を記載し、それを登記する必要があります。建設業の許可を受けるには、これから受けようとする業種について、事業目的に記載されている必要があります。
求められる記載内容については、都道府県によって形式が異なったりしますので、事前に行政の窓口に確認しておくことをお勧めします。
また、今回は許可を受けなくても、将来取得したいと考えている許可業種があるのであれば、その許可業種を事業目的として入れておく方がよいでしょう。
将来、取得する際に事業目的を追加することもできますが、その際には、登録免許税や専門家の費用が余計にかかってしまいますので、先に一緒に入れておく方が望ましいと思います。
会社の役員について
建設業許可を取得するには、「経営業務の管理責任者」という方を置かなければなりません。この「経営業務の管理責任者」は、法人の場合、常勤の役員であることが求められます。
よって、法人設立の際に、少なくとも、「経営業務の管理責任者」となる方については、取締役としておかなければなりません。
個人事業からの法人化の場合には、個人事業主が「経営業務の管理責任者」となることがほとんどでしょう。
また、将来の後継者(事業主の息子さんなど)がいらっしゃる場合には、経営業務の管理責任者になるための実務経験を積んでもらうために、息子さんなどを取締役に据えておく必要があります。
このことについては、忘れやすいので、会社設立の段階で将来の事業展開のことも考えておかなければなりません。
資本金の額について
建設業許可を取得するには、財産的な要件として500万円以上の資産がある必要があります。この要件は、新設法人で許可を取得する場合には、資本金を500万円以上にすることでクリアすることができます。
これは、法人口座に500万円以上の残高があることを証明することでもクリアすることができますが、会社設立時に資本金を500万円以上にしておくことで、スムーズに建設業許可を受けることができるようになります。
以上が、法人化してから建設業許可を受ける際のポイントとなります。
また、個人事業の許可は、法人に引き継ぐことはできませんので、個人事業の方で将来法人化を考えている方については、先に法人化してから建設業許可を取得する方が、後になって、余分な費用を支払う必要がなくなりますので、その点、よく考えてから建設業許可の申請をすることをお勧めします。